評価の高い女性監督がノミネートされなかった

――2020年度のアカデミー賞では、グレタ・ガーウィグが監督賞にノミネートされなかったことはおかしいと様々なメディアは報じましたし、ナタリー・ポートマンのケープにはガーヴィグ監督の名前も刺繍されていましたね。

エイミー・パスカル(以下、エイミー):もちろん、グレタが監督賞にノミネートされていればこれほど嬉しいことはなかったですが、作品賞にノミネートされたこれまでの映画のなかで、監督、脚本、プロデュースのすべてが女性による作品は、アカデミー賞の歴史において本作が3本目なんです。だから、グレタも私もこの画期的な出来事をとても喜んでいるんですよ。

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――そもそも、本作の試写会に来た映画芸術科学アカデミーの会員たち(アカデミー賞を投票する会員)のなかで、男性は3分の1しかいなかった、とメディアは報じています。

エイミー:たしかに、試写の最初の頃は女性が多かったのですが、最後のほうは男性も多く来てくれていました。とにかく、評判を聞いて試写に来る男性会員が増えていった、という事実は素晴らしいと思うんです。アメリカでは、昨年のクリスマスの日に公開されてから今年の2月まで、この『若草物語』は1億ドル(約110億円)もの興行収入を獲得しました。この数字を見る限り、多くの男性も観に来てくれたと言えるでしょう。

――アカデミーの男性会員は女性監督の映画は観ない傾向があるのでしょうか?

エイミー:それはアカデミーの会員に限ったことじゃないでしょうね。幼い男の子と女の子の玩具が違うように、性別による好みの違いはどうしてもあります。とはいえ、今の若い世代の男性は昔の世代とは違い、世界を新しい視点で見ている。だから、男女格差は、これからどんどん解消されていく予感がしています。