残念ながら、日本は今年も「ありえない豪雨と台風」に悩まされる

これは天災ではなく人災かもしれない
週刊現代 プロフィール

カンガルー、ワラビーなど、推定10億匹の野生動物も犠牲になった。山火事はオーストラリアでは毎年起きている。

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「雨が降らずに雷が起きる『ドライライトニング』が頻発し、自然に火事が発生します」(横浜国立大学大学院准教授・森章氏)

例年なら11~3月が山火事シーズンだ。ところが、'19年は通常より2ヵ月も早い9月に、山火事が起きた。原因はほとんど雨が降らなかったことにある。

「'19年は4~5月の2ヵ月間で1ミリ以上の雨が降った日が5日しかありませんでした。昨年6月からシドニーでは水の使用制限もかかっていました」(前出・平野氏)

この異常事態をもたらしたのが、インド洋ダイポールモード現象だ。

「インド洋の海水温度が西部で高く東部で低くなると、オーストラリアは高気圧に覆われて、雨がほとんど降らなくなるのです」(前出・森章氏)

地球温暖化が進むと、この現象がより強くなる。人類の活動の影響で異常な乾燥状態が発生し、大規模火災が起きたのだ。2月6日からシドニー周辺では大雨が降り、火災は鎮火に向かっている。しかし、「恵みの雨」というには過酷すぎた。

 

「大雨のせいで約2万5000人が停電で困っています。過去30年で最大の豪雨で、洪水も発生しました」(前出・平野氏)

森林は水を蓄えて「自然のダム」として機能する。しかし、火災で木々が失われたことで、降った雨水がすべて川に流れこみ、水害が悪化した可能性が高い。温暖化が進行すれば、大規模災害が連鎖して起きるのだ。

『週刊現代』2020年2月22・29日号より