残念ながら、日本は今年も「ありえない豪雨と台風」に悩まされる

これは天災ではなく人災かもしれない
週刊現代 プロフィール

「これまでの台風は、北上するとともに次第に勢力を弱め、日本に上陸する頃には、発生時よりも小さくなっていることがほとんどでした。しかし台風19号は、勢力を維持したまま日本列島に襲いかかってきたのです」

筆保氏の研究によると、近年こうしたタイプの台風が増加していると言う。

「ここ100年で上陸した台風を調べると、上陸数はそれほど変わらない。しかし、明らかに勢力の強い台風が増えています。

100年間の平均で見ると、勢力の強いタイプの台風は30%ほど。しかし、2010年代だけに絞って見ると50%以上が『強い』タイプになっているのです」(筆保氏)

最近、台風被害が激しすぎると思ってはいたが、統計にもそれがはっきりと表れているのだ。その原因も近年の研究により明らかになってきた。

「台風は、暖かい海面から蒸発する水蒸気をエネルギー源に発達します。つまり、台風が強い勢力を保ったまま接近するのは、日本近海の海面水温が上昇しているためだと考えられるのです」(同)

気象庁の調査によれば、海面水温の上昇は地球温暖化による影響が大きい。地球温暖化がこれから半年で改善することはありえない。つまり、ありえない台風は今年も必ずやってくる。

大型の台風は人間の体にも直接影響を及ぼす。いわゆる「気象病」だ。中部大学教授の佐藤純氏が説明する。

「気象病とは、気圧や温度、湿度、風速などを含む気象の変化によって症状が出現する、あるいは悪化する疾患の総称です」

症状は「天気が悪いと古傷がうずく」といった天気痛のほか、うつ病、喘息、心臓病、めまいなど様々だ。

 

「気象病の患者は、数ヘクトパスカルの気圧差でも頭痛やめまいなどの不調に苦しめられます。温暖化により発生した大型台風ではその十倍の気圧変化が急速に起きます。最悪の場合、心臓病や脳卒中を起こし、死に至る可能性もある」(佐藤氏)