老人ホームに入った父親に「もう死にたい」と言われた息子の苦悩

だから自宅を売ってはいけない
週刊現代 プロフィール

「本来なら自分でできるはずのトイレや入浴に『介助が必要』とされたことは、父にとって屈辱だったようです。

とはいえ、そんなもの必要ないと断るとスタッフの機嫌が悪くなる。彼らとは毎日顔を合わせないといけませんから、強くも出られなかったようです」

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厚労省の調査によると、'18年度の介護施設職員による高齢者への虐待行為は621件と過去最多を記録した。

気に入らない入居者には食事の量を減らしたり、暴力をふるったりするケースもあると聞くと、職員には逆らわないほうがいいという心理が働いてしまう。

「自分ではできることもさせてもらえない。日々そのことに苦しみ、父は次第に元気を失っていきました」(同)

多くの場合、老人ホームの入居時に一時金として大金を払う。その原資は、これまで住んでいた自宅を売って得たカネだ。こんな老人ホームはいやだと思って出ていこうにも、先立つものがないのである。

 

自分に合わない老人ホームに入ってしまうと、文字通り地獄のような苦しみを味わいながら、いつまで続くかわからない「老後」を過ごすことになる。

『週刊現代』2020年2月22・29日号より