テレワークで「残業代が出ない」「給料激減」「クビに…」悲鳴の数々

新型コロナで見切り発車の「落とし穴」
鷲尾 香一 プロフィール

つまり今回の急なテレワーク実施には、勤務時間や残業、深夜勤務、休日労働などの労働条件の確認などが不十分なのだ。こうした“付け焼刃”的な対応では、のちに問題となる可能性が大きい。

「給料激減」「契約解除」も

そのほかにも、在宅勤務で使用するパソコンは私物なのか社有なのか、パソコンの通信費、あるいは仕事中の光熱費は会社が負担するのか、従業員の負担になるのか等々、テレワークを行うにあたり、決めておくべき事項は多々ある。

さらに、もっとも注意を要するのは、非正規雇用や業務委託などで働いている場合のテレワークだ。

20代でWEBサイト制作を行っている契約社員は、「給与は出来高払いになっている。職場だと細かな打ち合わせができ、データもすぐに入手できるが、自宅からではどうしても時間がかかり、効率が非常に悪い。出来高もすでに3割ぐらいは減っている。今月の給与を見るのが怖い」と話す。

 

深刻なのは、今回の混乱の中で契約を打ち切られる事例も出てきていることだ。20代のモバイルゲーム会社の契約社員は、「在宅勤務の実施を理由に事実上の雇用調整が行われ、契約を解除された」と筆者に明かした。

新型コロナによる実体経済への悪影響は、すでに様々な業種に現れ始めているが、今後、一段と厳しいものとなっていくだろう。テレワークが人件費の抑制や雇用調整の口実に使われることなく、新型コロナの感染拡大を回避するための有効な手段として実施されることを切に願う。