政府による突然の一斉休校の要請が、大きな混乱を招いている。専門家の間では、小中高の休校が感染の広がりを抑えることを示すエビデンスはないとされており、無症状者からの感染報告※1,2はあるものの、WHOの報告書※3では「聞き取り調査によると、子どもから大人への感染が起こっているという証拠は認められなかった」と記載されている。

しかし、「休校」という措置をとることで政府は、意図しなくとも「学校が感染拡大の場になる」「リスクがあるのは子どもたちだ、子どもたちを守る必要がある」というメッセージを発してしまっている。

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新型コロナウイルス肺炎では8割が軽症で、子どもや30-40代までの成人にとっては風邪と同じと考えても差し支えない。いま最も守るべきは、子どもではなく高齢者だ。そして今回の一斉休校の措置によって、高齢者の感染リスクをさらに高めてしまう可能性もないとはいえない。

改めていま、高齢者が注意すべきポイントについて紹介したい。

1. 休校中の孫の世話をするとき

休校になり、孫の世話をしなければならなくなった祖父母は多いかもしれない。実際に、筆者の周囲でもそんな声をよく聞く。中には、「孫を学童などに通わせるのは危険だから、わたしが行って頑張って世話をしなくては」と、思っている高齢者もいるようだ。

しかし、密閉され混み合った電車やバスを乗り継いで子どものいる家に通わなければならない場合もある。また、小さな子どもの世話は、健康な高齢者にとっては大変体力を使う仕事であり、一日中家にこもっているわけにもいかない。当然、公園や買い物にはでかけることになるだろう。公園や買い物に行くのはもちろん差し支えないが、最近多い「屋内での遊び場」は、大人も子どもも密集し、接触感染リスクも高く、器具の消毒にも限界がある。この時期には行かないほうが無難だろう

上記のリスクを踏まえて、それぞれの家庭の事情があると思うが、子どもは学童に通わせ、祖父母と会わせるのは普段よりも控えることをお奨めする。どうしても預からざるを得ないときは、可能なら子どもにマスクをさせる、頻回の手洗いを徹底する、部屋の換気を頻繁にするなどして、リスクを少しでも減らす工夫をする必要がある。