新型コロナ“休校騒ぎ”でわかる…結局、子育ては母親だけの責任?

転勤族のママたちが語ること
前田 正子 プロフィール

日本人の給与が伸び悩んでいる中で、親の経済状況もうすうすは理解している学生たちの中には、「自分たちの世代は共働きでないと子どもを育ているのは無理だ」と考える者が男女ともに増えてきている。

もちろん彼らは転勤をすべて拒否しているわけではない。若い時期にいろんな経験を積んだり、様々な場所で働くことは自分にとってもよいことだと考えている。だが、子育ての時期は夫婦一緒でないと乗り切れないとも感じているのだ。

この会社の転勤の仕組みは(他の多くの日本の企業もそうだろう)ずっと今のやり方で続けることができるだろうか。

出生率が高い国、低い国

近年の欧米における出生率の推移を分析したエスピン-アンデルセンという著名な社会政策学者は著書の中で次のように述べている(“Families in the 21st Century”)。

出生率が高いのは、性別分業で男性世帯主と専業主婦カップルが安定して成立している伝統的な社会(つまり男性の仕事が安定し所得が高かった時代のことだが、欧米の多くの国はもはやその状況ではない)と社会的にも家庭内でも男女平等・均等が当たり前になった社会(今のデンマークやスウェーデンのような社会)だという。

特に最近の出生率の高い社会では女性がフルタイムで働くのが当たり前になると同時に(日本のような長時間労働ではない)、男性の育児時間が急速に伸び、家庭内での育児や家事の男女平等・均等も達成されている。

そういった社会では女性の就業率も高いが離婚率も下がり、家庭の安定度も増しているという。

 

一方出生率が低いのはその間にある社会、つまり男性の雇用が不安定化して所得も下がり、もはや伝統的な性別分業がなりたたない状況で、女性の高学歴化とともに就業率も上がっているのに、社会的にも家庭内でも性別分業の価値観や仕組み、人々の行動パターンが根強く残っている社会だという。

そういった社会では働く女性には仕事と家事の負荷がかかり、子育てと仕事の両立は難しく、出生率は下がる。彼はその事例としてスペインやイタリアを上げている。