新型コロナ“休校騒ぎ”でわかる…結局、子育ては母親だけの責任?

転勤族のママたちが語ること
前田 正子 プロフィール

学生たちは転勤についてどう考えているか

それではこれから就職していく学生たちは、転勤についてどう考えているのだろうか。

少子化の背景などを学生どうしでディスカッションする授業で、2019年に話題になった化学メーカーの男性の育児休業と転勤について取り上げてみた。

高齢の母と保育士の妻、2歳児を育てる男性社員が転勤を拒否したところ、会社から懲戒解雇されたこと。

そしてそれは1986年に裁判で「家庭生活上の不利益は、転勤に伴い通常甘受すべき程度のもの」とされ、基本的に転勤は拒否できないということを話した時には、学生たちはざわついていた。

一方で、2002年の改正介護・育児休業法では育児や介護を担う社員に対して会社は「配慮義務」が求められていることも伝えると、学生は一層混乱する。つまりちゃんと子育てしながら働ける環境なのかどうなのかは、結局、会社次第なのだ。

その後、化学メーカーが公式ホームページに掲載している「当社元社員ご家族によるSNSへの書き込みについて」という文章を学生たちに読ませ、学生同士でディスカッションしてもらった。

 

どんなことが気になったのか、気づいたのかについて聞くと、まず「発令から着任までの期間は、一般的には1~2週間」というのに驚いたという。

さらに「育児や介護などの家庭の事情を抱えているのは、多くの社員が当てはまる。育休をとった社員だけを特別扱いすることはできない」という文章は、「今や多くの社員が介護や育児を担っているから、いちいち配慮はできない」と読み取れるという。