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新型ウイルス対策「果敢な中国だけが成功」と習政権が自画自賛大宣伝

「日本はマネすらできていない」と嘲笑

著名ウェブメディアの突然死

「『メディアの死』を指摘したメディアが死に追いやられた」(台湾メディア)。

新型コロナウイルスが全世界で猛威を振るう中、中国の著名ネットメディア「大家」が閉鎖されたニュースは、日本ではあまり話題に上らなかったが、中国語のメディアやSNS で大きく取り上げられた。

大手ポータルサイト、騰訊(テンセント)が2012年にスタートした「大家」(「みんな」の意味)は、著名ジャーナリスト、賈葭が編集長として創刊したメディアで、特に日中関係についての評論などを数多く掲載し人気があり、筆者も以前寄稿したことがある。

ところが2月19日、文章を発表していた微信のアカウントが突然取り消された。原因となったのが1月末に掲載した「武漢肺炎50日 中国人全体が受け止めるメディアの死の対価」という文章とみられている(原文は削除されたが、他のサイトに転載されている)。報道によれば、作者は上海のジャーナリスト、陳季冰氏だという。

問題となった「大家」の記事が掲載されたスマホ画面

文章は初の感染者が発生した昨年12月8日から1月20日までの約40日間、武漢市や湖北省のメディアが「ウイルスの危険性は限られており、コントロール可能だ」「人から人への感染はない」という論調を繰り返したと指摘。

この間、医師の李文亮氏ら8人の市民がSNSで「デマ」を流したとして処罰され(2月17日公開の「『人民は激怒…』中国改革派学者が発した檄文『衝撃の中身』」参照)、武漢市では18日、数万世帯が手料理を持ち寄った「万家宴」が開かれ、20日には市民に20万枚の無料旅行券が配られたという。

 

(武漢以外への感染拡大が確認された)20日になり情勢は変化したが、大部分の報道はそれまでの「安心させ落ち着かせる」ものから、(医療関係者の献身的努力を伝えるなど)「鼓舞や感動(的物語)」に変わっただけとして、いずれもまともなメディアがやるべきことではなかったと批判した。