観光客激減「震災並みの大打撃」で露呈した日本のインバウンドの弱点

新型コロナとクルーズ・ビジネスの死角
中村 正人 プロフィール

今後、クルーズ会社はしばらく東シナ海市場への配船を控え、中国人客を乗船させないことで、窮地を切り抜けようとするかもしれない。だが、日本側がここ数年投資して整備してきた港湾施設は残る。

ここで問題とすべきは、これまでの「日本のインバウンド戦略」そのものだというべきだろう。すなわち、「訪日外国客の数を増やして多くの消費をさせる」ことを至上命題としてきたあり方だ。数を追うばかりで、中身を問うことがなかったのである。

中国のクルーズ客のように、数が増えても地元にお金が落ちないようでは、誰のための誘致かわからない。市場の舵取りを彼らに預けるのではなく、市場のあり方にもっと積極的に関与する姿勢が必要だったのだ。

 

その意味では、市場の停滞が明らかになったいま、それを再検討するいい機会ではなかろうか。

いずれ新型コロナウイルス感染も下火になるだろう。そうすれば、中国発クルーズ客船が九州に戻ってくる日も来るはずだ。だが、それを従来どおりのやり方で受け入れていいのだろうか。いまだからこそ、じっくり考え直すべきではないだろうか。