観光客激減「震災並みの大打撃」で露呈した日本のインバウンドの弱点

新型コロナとクルーズ・ビジネスの死角
中村 正人 プロフィール

今回のダイヤモンド・プリンセスの「東南アジア大航海」がそうだし、イタリアのクルーズ会社コスタ・クルーズによる博多港発着の日本海クルーズも知られている。国内および韓国、そしてウラジオストクやサハリンなどの極東ロシアの寄港地を周遊するもので、2016年から始まっている。

こうしてクルーズ市場に注目が集まり、全国で大型客船の受入整備が進められた。国土交通省は「官民連携による国際クルーズ拠点形成計画」として国内7港(横浜港、清水港、佐世保港、八代港、鹿児島港、本部港及び平良港)を選定。昨年、さらに下関港と那覇港を追加した。それぞれの特色を生かした寄港地形成の取り組みも始まった。

客は増えたが、カネは落ちない

では、なぜこの時期、外資系クルーズ客船の日本発着が増えたのか。

2010年代に中国発クルーズ客船の九州方面を中心とした大量寄航が起きたからである。

それは博多港から始まった。中国発クルーズ客船の博多港の初寄港は2008年、米国ロイヤル・カリビアン・インターナショナル社の大型客船「ラプソディ・オブ・ザ・シーズ」だった。東シナ海を舞台にした中国発クルーズ旅行の火付け役は、欧米のクルーズ会社だった。

 

その後、欧米系に加え、中国系クルーズ会社がこの市場に参入し、日本を訪れる中国人クルーズ客は右肩上がりに拡大。2016年には早くも200万人を超えた。この年の日本人のクルーズ乗客数は24万8000人だから、約8倍である。2019年に海外から日本を訪れたクルーズ客の8割を占めるのは中国人だ。