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『木綿』もいいけど…太田裕美『さらばシベリア鉄道』が名曲すぎる

太田裕美×鈴木茂×白川隆三

煮え切らない男の元を離れ、氷原の果てまで寄るべのない列車旅に出る。少女のような透明感ある声が、新しい時代の男女の価値観をいっそう際立たさせた。

深夜に大瀧詠一から電話が

白川 2019年はデビュー45周年ということで、記念コンサートに記念アルバム『ヒロミ☆デラックス』の発売と続いて、相当忙しかったのではないですか。

僕は裕美さんのデビューからおよそ5年レコーディングディレクターを務めさせてもらいましたが、あの頃は45年後のことなんて想像もしていませんでした。

白川隆三(しらかわ・りゅうぞう)
44年生まれ。CBSソニーでは太田裕美をはじめ数々のアーティストを手掛け、退社後はアニプレックス会長など要職を歴任した

太田 本当よね。40周年の時は「あっと言う間だったな」としか思わなかったけど、45年はちょっと感慨深いですよね。なにしろあと5年で50年、半世紀ですから。

太田裕美(おおた・ひろみ)
55年生まれ。'74年に『雨だれ』でデビューした後、シングル31枚、スタジオアルバム22枚をリリース。'19年にデビュー45周年を迎えた

白川 45周年記念アルバムでは『木綿のハンカチーフ』とともに『さらばシベリア鉄道』を再録音していましたね。

しかも、ピアノクインテットで。太田裕美の代表曲といえば'75年リリースの『木綿のハンカチーフ』ですが、'80年リリースの『さらばシベリア鉄道』も個人的に思い入れがあって、選んでくれたことがうれしかったです。新たなアレンジで聴いて、改めていい曲だなと思いました。

 

太田 もちろん私にとってはどちらも宝物のような曲だけど、『さらばシベリア鉄道』には、特別な思いがあります。作詞の松本隆さんの周年の記念イベントなどでも、この曲をリクエストされることが多いんです。

ほかにも松本さんからいただいた曲はたくさんあるけれど、『さらばシベリア鉄道』は時間の経過とともに、価値がさらに高まっている気がしますね。