ある日突然“地獄”に…小4女児虐待死事件「加害者家族の後悔」

加害者と被害者の間で
阿部 恭子 プロフィール

家族には見えなかったこと

「私たちにも、まだよくわからないんです……」

逮捕直後、自宅を報道陣に取り囲まれ、繰り返し鳴るチャイムに怯えながら答えると、

「一緒に住んでたんでしょ? わからないっていうことはないだろう!」

記者から厳しい言葉が飛んできた。側にいたにもかかわらず、助けることができなかった……。

加害者家族を最も苦しめている自責の念である。確かに、「虐待」に関する認識は甘かった。

しかし、逮捕された勇一郎氏は、「兄」や「息子」として家族が見てきた彼とは別の顔をしていた。

本件のような親密圏で起きている事件の加害者が、家庭ではいい子、職場ではいい人と評価されているケースは決して珍しいことではない。

裁判では、家族が知らなかった心愛さんの一面も明らかになった。

 

「てめえ、早く会社行けよ!てめえ、早く会社行けよ!」

「家族に入れろよ!」

法廷では、命令口調で父親に反抗する心愛さんの音声も流れ、家族は衝撃を受けた。

心愛さんはおっとりした子どもで、真由さんや祖父母に対して暴言を吐くようなことはなかった。心愛さんと勇一郎氏が暮らしていたアパートは、よほど殺伐とした環境だったに違いない。

公判では、知りたくはなかった事実が明らかとなり、家族にとって自責の念は深まるばかりだ。真由さんは、兄の為ではなく心愛さんのために、事件と向き合っていくと話している。