3月 6日 磁気浮上式リニアモーターカー営業運転開始(2005年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

2005年のこの日、愛知高速交通株式会社が愛知県の名古屋市と豊田市を結ぶ東部丘陵線を開業しました。これが、日本で初めての磁気浮上式リニアモーターカーの営業運転です。

そもそもリニアモーターとは、ふつう円柱状の形をしているモーターを引き伸ばして直線状にしたもののことをいいます。通常のモーターが車体の中で回転力として使われるのに対し、リニアモーターは車両の下にあるコイルとレールの上にあるコイルとの反発力により、車両を直進する力を与えることができます。

また、磁気浮上式リニアモーターカーでは車体に取り付けられた電磁石に電流が流れることで車体本体を浮上させます。それによって従来の電車に比べて騒音や振動が小さくなり、快適な乗り心地が実現するのです。

このような利点を持った磁気浮上式リニアモーターカーは名古屋市南区の大江実験線で実用化に向けた調査が重ねられました。その結果、1992年までには「最高速度100㎞/h程度のシステムについては、安全性、信頼性等が確認され、実用化に対して技術的に問題ない」との結論を得ていました。

そして1998年に、愛知県、名古屋市、豊田市等が「東部丘陵線推進協議会」を設立。翌年4月に名古屋市名東区藤が丘〜豊田市八草町間の約8.9㎞が国によって新規着工準備箇所として採択されます。同年7月には、「東部丘陵線導入機種選定委員会」が神田真秋愛知県知事(1951-、当時)に対し、導入機種は磁気浮上式リニアモーターカーが最適であると提言しました。

当初は2008年までの実用化が目標でした。しかし、2001年に発表された「2005年日本国際博覧会(愛知万博)」の計画で会場への輸送手段と位置付けられます。そのため予定を前倒して工事が始まり、2002年には実験車両が完成します。また、同年には1万件を超す応募の中から愛称が「Linimo(リニモ)」に決定しました。

その後2年以上の試験走行期間を経て2005年2月に運輸開始が認可され、翌月に開業に至ったのです。

リニモ磁気浮上式リニアモーターカー「Linimo(リニモ)」 Photo by iStock

リニモは現在も運行されており、2018年度には延べ900万人以上もの年間利用者数を記録しました。

その一方で、東京−大阪間を約1時間で結ぶことを目的として開発・実験中の「リニア中央新幹線」のように、超伝導磁石を用いた新たな方式も模索されています。