新型コロナ、世界銀行の「パンデミック債」暴落が意味すること

WHOはパンデミック宣言を出さないが…
鷲尾 香一 プロフィール

現実と戦うべきとき

パンデミック債はごく限られた投資家間の取引となっているため、日々のデータは定かではないものの、2月25日の英フィナンシャル・タイムズが「クラスBは額面1ドルの債券が57セントに下落している」と報じている。「クラスBはすでに半額以下になっているだろう」(国内機関投資家)との見方もある。ちなみに2019年にコンゴ共和国でエボラ出血熱が流行した時には、40セントまで下落している。

比較的リスクが低いクラスAでは、額面を若干割り込んだ水準で下げ止まっているようだが、「いずれクラスAでも価格下落が進むだろう」(同)との見方だ。ちなみに、クラスAの元本が毀損する条件の一つは「発生国以外で死者が2500人に達すること」だ。

 

世銀が新型コロナウイルスをパンデミックと認定する条件の一つとして、「中国での死者数が250人に達した日(2月2日)を基準日として12週間が経過すること」が定められている。12週間後とは4月26日だ。

WHOにしろ、世銀にしろ、「パンデミック」を宣言したくないのだろうか。権威ある国際機関が躊躇している間にも、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は続き、新型肺炎による死亡者は増加を続けている。

即座に「パンデミック」を宣言し、世界的な感染防止策の取り組みを開始するべきだろう。

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