定年で自宅を売り、賃貸に引っ越して“地獄”を見た夫婦の末路

もう取り返しがつかない…
週刊現代 プロフィール

こちらも17年間住むとすれば、最大100万円ほど支払わなければならない可能性がある。しかも、修繕積立金はあくまでエレベーターや外壁など共用部分の修繕に使われる。室内のクロスの張り替えやフローリングの修繕などは自己負担だ。

3年前に足立区の自宅を売り、江東区のマンションを購入した佐々木紀夫さん(73歳・仮名)も、思いもよらぬ出費に頭を悩ませている。

「築18年、2LDKのマンションに夫婦で住んでいますが、とにかく寒いうえに、通気が悪く、梅雨時の湿気がすごいのです。毎年梅雨明けには室内がカビだらけになり、クロスの張り替えに20万円近くかかります。

さらに妻が喘息を発症してしまい、通院と入院を繰り返すようになりました。その医療費が月に3万円かかっています」

マンションを購入した場合でも、こうした細かいおカネが毎月、毎年、虎の子の老後資金を少しずつ蝕んでいく。

 

「自宅に住み続けることで、家計の赤字化を回避し、出費を抑えることができる。言いかえれば、最後までわが家で暮らすことが、老後破産の最大の防衛策なのです」(前出・大久保氏)

家賃ゼロで住める自宅は「老後の生活の砦」。安易に手放すのは間違いなのだ。

『週刊現代』2020年2月22・29日号より