定年で自宅を売り、賃貸に引っ越して“地獄”を見た夫婦の末路

もう取り返しがつかない…
週刊現代 プロフィール

「夫が亡くなったことで、年金の受給額が月々12万円ほど減り、家賃の負担感が増えました。

引っ越そうと思ったのですが、健康状態もあまりよくないうえ、女性の単身高齢者に部屋を貸してくれるところを見つけるのは困難で、夫の死後も同じところに住み続けるしかなかった。

ここは2ヵ月間家賃を滞納すると退去、という契約になっていて、いずれそんなときが来るかもしれない、と毎月減っていく預金に不安を感じながら日々を過ごしています」

一生続く家賃負担はリスクが高い。かといって、賃貸ではなく、自宅を売って得たおカネでマンションを購入した場合でも、自宅に住み続けることと比較すれば、やはりコストがかかる。

管理費はもちろん、厄介なのが修繕積立金だ。これはマンションの築年数が経つにつれ、2万、3万と上がっていく。築15年の都内のマンションに住み、月の修繕費が2万円として、管理費と合わせて3万円、年間で36万円。

70歳で引っ越し、平均余命の87歳まで17年間住むとして、612万円のカネが出ていくことになる。

また、マンションを買った場合は固定資産税を毎年払わなければならない。都内の場合、10万~15万円が目安となる。17年間住む場合は、最低でも170万円は必要だ。

そこに加わるのが、「大規模修繕費」である。不動産コンサルタントの長嶋修氏が説明する。

 

「マンションの大規模修繕は10~15年を目安に行われます。入居した年数は関係なく、住民で一律負担することになります。

たとえば、老後の住み替えで中古マンションを購入して、1年しか住んでいないのに、いきなり50万円程度のまとまったおカネを払わされることもあるのです」