定年で自宅を売り、賃貸に引っ越して“地獄”を見た夫婦の末路

もう取り返しがつかない…
週刊現代 プロフィール

自宅は最後の砦

秋山さんの場合、家賃と管理費と駐車場代を足した額は13万円、年間で156万円。夫婦合わせて毎月20万円近い年金を受け取っているが、光熱費や通信料、食費などの生活費、医療費によって月々6万円ほどの赤字だ。

毎年約230万円の支出があるので、自宅の売却で得た2000万円は、わずか9年で消えてしまうことになる。

現在、秋山さんの貯金額は2200万円ほど。75歳男性の平均余命(その年齢から生きる年数)は約12年。秋山さんが平均余命まで生きるとすれば、84歳のところで貯金が尽きることになる。

親族の支援を受けるか、生活保護を受給しなければ、夫婦で路頭に迷うことになるのだ。もし秋山さんがもっと早くに亡くなった場合、困るのは妻だ。

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配偶者が亡くなることで、老後破産の危機が増すケースは珍しいことではない。ファイナンシャルプランナー・横川由理氏が解説する。

「夫が先に亡くなった場合、夫の基礎年金、年78万円がまず無くなります。また、厚生年金が遺族年金となり、75%に減額となります。

そうすると、妻が受け取る年金額は大体年間で100万円ぐらい少なくなってしまうのです。高齢者にとって、年間100万円の収入減は、大きな痛手となります」

 

4年前に埼玉・浦和区の自宅を売却し、夫婦で板橋区の家賃13万円のマンションに移り住んだ濱田良子さん(73歳、仮名)は、2年前の夫の死をきっかけに、家計が急に苦しくなったという。