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「スラム化」しかけた千葉のマンションが、奇跡の復活を遂げるまで

団地型マンション、再生のヒント

先日、16年ぶりに千葉市美浜区の稲毛海岸駅から歩いて7〜8分の「団地型マンション」を訪ねた。1968年に建設された「稲毛海岸三丁目団地(全27棟、768戸)」である。

2000年代前半に私が取材をしていたころ、ここは大げさに言えば「スラム化」の危機が迫っていた。外壁は劣化し、給排水管の老朽化で赤水が出る悲惨な状態だった。

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しかし、あれから16年、団地は建て替えたわけではないのに、見違えるような姿に生まれ変わっていた。16年の間にいったい何が起きたのか。

大量のマンションが建物と住民の「二つの老い」を抱え、スラム化、廃虚化のリスクに直面する現代ニッポン。団地の歩みは、重要なヒントになるかもしれない。

夢のような建て替え案

かつて、この稲毛海岸三丁目団地は、団地建て替えの一番星と目されていた。バブル最盛期の1990年、築後22年を迎えた団地では、通常総会で、住民の93%の賛成によって「建て替え推進決議」が採択された。鹿島建設、藤和不動産、横河設計事務所がアドバイザーについた。

しかし、バブルが崩壊して、建て替え後の新規分譲が困難になると、鹿島建設が去り、藤和、フジタグループ、横河設計などが計画を練り直す。だが、そこで提示されたプランも「2000戸の高層マンションを建設し、新規住戸を販売。元の住民は無償で1.2倍の広さの新居を取得」という夢のような「建て替え基本計画」だった。

 

じつに96%の住民が賛同し、建て替えへの期待が高まった。

ところが、1995年末、フジタ系のディベロッパーも白旗を掲げる。建て替えプランは崩れ、白紙に元に戻った。