テレビ「ネット同時配信」のから騒ぎと、ビジョンなきマスコミ人の末路

これでNetflixと戦えるはずもない

「NHKプラス」使い心地は悪くないが…

「NHKプラス」が3月1日、スタートした。NHKによるネットでの同時配信サービスだ。放送と同じ内容がPCやスマートフォンで視聴できる。見逃した番組も1週間まで視聴できるし、番組開始に遅れた番組を「追いかけ再生」することも可能だ。

筆者も1日の朝、さっそく登録して使ってみたが、かなり便利だ。インターフェイスも悪くなく、操作性がいい。NHKは過去数回、一般の人も参加できる実証実験を行ってきたので、改良に改良を重ねた結果だろう。多機能がコンパクトな画面に収まって直感的に操作できる。

このテレビ局のネット同時配信については、おそらくほとんどの人びとはさしたる興味も持っていなかったことだろう。だがなぜか、とりわけ新聞は戦々恐々と動向を報じてきた。さもテレビが大きく変わる一大事のような報じ方をした記事もあって、面白い。

2月1日には、共同通信がさも大スクープのように「民放キー局、ネット同時配信へ 秋以降、NHKに追随」と報じて多くの地方紙が掲載した。同時配信の話題になると、もっぱら新聞が反応するのが面白い。当のテレビ局はあまり扱わないのだ。

結局、テレビ局の同時配信に一番ビビっているのは新聞業界なのだろう。新聞業界は、テレビ局が同時配信をこぞって始めたら、ネット上での自分たちのポジションが取られるのではないか、と心配で仕方ないのだ。特に邪魔な広告の掲載もないNHKに対しては、あまりネットで勢力を広げられては困る、とイライラしているようだ。

 

奪われるも何も、新聞はネットでまともにポジションを取れていないから心配しなくてもいいのに。その証拠に、新聞がネットで稼げている広告費は約130億円(電通発表・日本の広告費2018より)に過ぎない。テレビも同じで100億円しか稼げていない。ポジションがどうの食い合いがどうの、と心配する以前の段階である。