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相続した賃貸物件をたちまち満室にする「リノベーション」のコツ

「負動産」にしないために
他人事ではない不動産の相続トラブル。中でも家族を困らせるのが、賃貸物件の相続だ。賃貸経営の知識もないのに、空き室だらけの赤字アパートを引き継がされ、途方に暮れている方もいるだろう。『税理士が知らない不動産オーナーの相続対策』で知られる専門家集団、「財産ドック」が、実例とともに打開策を提案する。

このままでは赤字になる……

Rさんが相続したアパートは築25年、老朽化も目立ち、9部屋中5部屋が空室というあまり好ましくない状況でした。しかし賃貸経営の知識をもたないRさんには、これがどのような状況なのかを理解できませんでした。

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実は私たちは、Rさんのお母様がお元気だった頃に、管理会社として修繕や空室対策について何度か提案をしたことがありました。築年数も経ち空室が目立ち始めたことで、明らかに不良資産と呼ぶような状況になってきていたからです。

しかし、修繕や空室対策にはある程度まとまった費用が必要になります。その費用の額を知ったお母様から「もう少し様子を見てから考えたい」とやんわり提案を断られていたという経緯があります。そして、そのあとも返答をいただけないまま、今回の相続が発生してしまったのです。

築25年と古い物件、しかも駅からも遠く利便性は低い。そして何よりも半分以上の部屋が空室です。アパートを建築した際の借り入れの返済は終わっているため、かろうじて赤字にはなっていませんが、このまま何もしなければ赤字に転落することは容易に想定されます。

さらに、Rさんが住んでいる場所は東京、相続したアパートは愛知県にあるため、何かあってもすぐに対応することができません。そのことをRさんに伝えると、Rさんは「どうしたらいいのか」と頭をかかえてしまいました。

 
問題点 相続対策としての空室対策をしていなかった

今回のケースで大きな問題となっていたのは、空室が多い状態のまま賃貸物件が相続されてしまったという点です。当然ながら慢性的に空室が多い物件は収益力が低く、健全な資産とは言えません。