恋愛から結婚に進んでも「生活スタイルは特に変わりません」という人も少なくない。やはり大きく変わるのは、出産で「夫婦で守るべき存在ができた」ときではないだろうか。それまで大人同士の気楽な生活を楽しんでいたカップルであればあるほど、「寝る時間」「授乳の時間」に振り回される生活とのギャップは大きいだろう。

「ギャップ」を埋める努力も、夫婦が一緒にするのか、それとも一人だけなのかで大きく変わる。「夫婦」から「家族」になるために「一緒に努力」するのか否かも――。
ずっとひとりで努力し続けてきた女性が、もうダメだ、と思った経緯とは。

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仕事のできる無頼が魅力の人

「子どもをもって家族を築くのには向かない相手でした。はじめからわかりきっていたはずなので、そんな男と結婚した私が悪かったんだ、という話ですよ」

川島菜々子さん(仮名・42歳)は、すらりと背が高くファッショナブルで、ハキハキとした独特の口調がデキる感じのすてきな女性だ。3年半前に離婚し、フリーのシステムエンジニアとしてバリバリ働きながら、9歳と7歳の子どもを1人で育てている。

菜々子さんが元夫と出会ったのは29歳で、相手は2歳年上の職種は違えど同じ自営業。
「典型的なB型男で、無頼派。仕事ができて、刺激的な人でした。気も合って、一緒にいると楽しかった」

20代で会った、破天荒で強くて刺激的な男性。2人でも友人たちとも一緒にいて楽しい。元夫はそんな存在だった(写真の人物は本文とは関係ありません)Photo by iStock

一方で元夫には、人として少々、欠けている部分があった。たとえば、街中に足を引きずっている人がいると、ふざけてその歩き方のまねをする。小学生男子でもしないような、たちの悪すぎるギャグだ。

ところが、いわゆる「ダメンズウオーカー」を自認する菜々子さんの目には、元夫のそんな逸脱した部分が魅力的に映った。
酷い奴、と思いながらも、何だか目が離せないな、と。私、もともと自分が女の子として可愛くないというか、モテる人生じゃないという思いがあるからか、変な男に惹かれて尽くしちゃうところがあるんです…」

半年ほど付き合い、同棲から結婚へと進んだ。