早期退職後も「年収700万円を死守したい」50代会社員の「甘さ」

「やりたいことがない」会社員の末路
前川 孝雄 プロフィール

一見、正論のように聞こえる。確かに組織人にはそうした義務感が無くては務まらないことも多いもの。しかし、仕事は会社から与えられるもので、キャリアは会社が作ってくれるものという価値観に染まってしまったリスクには気づけていないのだ。

時代変化を踏まえて、冷静に客観的に考えてみてほしい。会社の中核を担う年齢の中高年社員が、自分のやりたいことについて何一つ語ることができない。それでもやってこられたのが今までの日本企業だった。終身雇用・年功序列を前提に、深く考えずに言われたことをやっていれば、つつがなく職業人生を全うすることがかつては可能だったのだ。しかし、それでなんとかなっていた時代はもう終わったのである。

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「従順なだけ」の人は必要とされなくなる

今や、企業は社内で活躍することを期待している社員に対しても、キャリア自律を求めるようになってきている。事実、経団連トップをはじめ日本を代表する大企業経営者が軒並み終身雇用や年功序列に象徴される日本型雇用はもう維持できないと発言している。

AIなど最先端の知識を持つ若手人材の給与を大幅に引き上げて、変化に対応しづらくなってきている中高年人材の給与を下げ、リストラしようとしていることからもその流れがわかるはずだ。

同質性が高く従順な人材で構成された日本的組織は、経済が右肩上がりで成長し、みんなが同じクオリティの仕事に従事し続けることで成功が得られていた時代には効率的に機能していた。

 

しかし、その働き方では、今のように変化が速く、業界の垣根を越えた競争も激化し、常に新しい発想が求められる環境への対応力を発揮できない。強みが弱みに変わってしまったのだ。こうして、それぞれに自律した人材で構成される組織へと進化することを企業も志向するようになってきており、Aさんのようなタイプは企業も求めなくなっているのだ。