新型コロナショック、いよいよ日本経済に迫る「タイムリミット」の正体

ここがアキレス腱だ
加谷 珪一 プロフィール

もともと日本経済は賃金の低下が進んでいたことから消費が著しく低迷しており、昨年10月の消費増税によってさらに状況は悪化した。2019年10~12月期のGDP(国内総生産)成長率は、物価の影響を考慮した実質(季節調整済み)でマイナス1.6%(年率換算マイナス6.3%)と予想を超える下落となった。

個別項目では、個人消費がマイナス2.9%、設備投資が3.7%のマイナス、住宅がマイナス2.7%と、あらかじめ支出額が決まっている政府支出を除き、ほぼ壊滅状態だった。

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これまで消費増税などによって個人消費が冷え込んでも、企業の設備投資はそこまで落ち込まないことが多かったが、今回は設備投資のマイナス幅も大きい。速報値の段階では需要側のデータが入らないので精度に限界があるが、改定値でも設備投資の下落が大きかった場合、企業がかなり悲観的になったことを意味している。

2020年1~3月期については、この状態にコロナウイルスの影響が加わるのでかなり悪い数字を予想しておいた方がよい。製造業に本格的に影響が及んだ場合、一部の生産ラインでは雇用調整が行われる可能性があり、これが消費悪化に拍車をかける結果となるだろう。

 

こうした事態を受けて株式市場では株価の下落が進んでいる。2月24日から28日の1週間で、ダウ平均株価は約3700ドル、率にして13%というリーマンショック以来の記録的な値下がりとなった。ちなみに2002年から2003年にかけて発生した重症急性呼吸器症候群(SARS)の感染拡大では、香港株式市場のハンセン指数が最大で19%下落、ダウ平均株価は18%下落、日経平均株価も18%下落している。