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新型コロナで「夫婦危機」…休校要請が浮き彫りにした“深刻な現実”

「嘘でしょ?」「休めないしー!」

ママ友たちが大混乱

「嘘でしょ?」「何それ?」「学童はある?」「児童館は空くの?」

「年度末で忙しいのに、休めないしー!」

「無理でしょ、ムリ!」

「授業なくなって大丈夫?勉強どうするの?」

2月27日の金曜の夜。

小学1年生と保育園に通う子どもがいる、都内在住の安西由紀子さん(仮名、40代)のママ友とのLINEグループが、一時、パニック状態に陥った。LINEの投稿がすぐさま既読になっては、すぐに誰かが投稿を繰り返した。

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それというのも同日、政府が新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐために全国の小中学校、高校、特別支援学校を3月2日から春休みが終わるまでの間、全国で一斉休校するよう要請したからだ。このニュースが流れるやいなや、母親たちの心中は穏やかでなくなった。

由紀子さんは業務委託で主に在宅ワークでwebデザインの仕事をしているため、出張も多く超長時間労働のサラリーマンの夫が子どものために休んだことはない。子どもが熱を出したりして保育園や学校を休むと、いつも仕事を調整するのは由紀子さんだ。

それでなくても、子どもは学童保育に行きたがらず、毎日午後3時前には帰ってくる。学童では上級生が下級生をいじめる問題が起こっているため、他の子も学童には行っていない。だからといって1年生では一人で留守番をさせてはおけず、下校時間には由紀子さんはなるべく家にいるようにしている。

 

子どもにテレビやビデオを見せておくことに罪悪感がありながらも、やむなく由紀子さんはパソコンに向かう。それでも、子どもは何かと「ママー、ママー」と話しかけてくるため、集中できない。結局は、子どもが寝てから夜中に仕事をこなし、平均睡眠時間は3時間という毎日だ。

それが当たり前のようになってしまい、由紀子さんの夫は学校休校という知らせがあっても全く慌てる様子もない。テレビのニュースを見ながら「安倍(首相)はバカだねー」と、のんきに笑っているだけ。3月2日から子どもをどうやってみるかという話題にもならず、まるで他人事だ。