入居していた老人ホーム・介護施設の「経営破綻」で地獄を見た人たち

だから、自宅を売ってはいけない
週刊現代 プロフィール

入居1ヵ月で「やっぱりわが家が一番」

エントランスから各部屋までは完全にバリアフリー。見守りサービスや看護師が常駐し、一日1食から3食の食事を提供する。至れり尽くせりのサービスがウリの高齢者専用のマンションが、いま人気を集めている。

3000万円程度から購入可能で、「利便性もよく、家族にも安心」と、自宅を売って高齢者向け住宅に住み替える人が増えている。

ところが、快適であるはずの高齢者専用マンションから、短期間で出ていってしまう人は珍しくない。

「私の知人の母親も3ヵ月ほどで高齢者専用マンションから引っ越しました」

というのは、ファイナンシャルプランナーの大沼恵美子氏だ。

知人の母親は、マンションの設備や職員の対応には満足していたが、ひとつだけ、どうしても我慢できないことがあったという。

「提供される食事の味付けです。もともと料理好きだった方なんですが、健康状態が悪くなったので料理を作れなくなった。そこで、食事も提供されるマンションに引っ越したのですが、毎日提供される料理が口に合わないということで、1ヵ月もたたないうちにそのマンションがイヤになって、短期間で再び引っ越したというのです」

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たかが料理で、というなかれ。レストランなら味が合わなければ二度と行かなければいいだけの話だが、施設の食事は毎日提供される。一度その味が合わないと思うと、毎日が苦痛になってしまうのだ。

入居前には食事の味見ができるところが大半だが、そのときは「美味しい」と思っても、食べ続けるうちに耐えられなくなるケースは少なくない。