定年後に「自宅を売った」人たち…そのヤバすぎる末路

「不安」が人生を支配する
週刊現代 プロフィール

都会に引き返す人が続出

島本さんをさらに苦しめたのは、月に一度の町内会の定例会だ。

「定例会と言っても『若者がますます減った』と嘆いては酒を飲み、昔の自慢話を聞かされるだけ。66歳の私は『若手』扱いされ、片づけまでやらされます。本当は嫌ですが、引っ越し当初、知り合いが一人もいないなかで世話してくれた人の縁もあるので、会に出ない訳にもいきません」

 

これは、山奥の閉鎖的な集落の話ではない。コンビニやショッピングセンターもある「ちょっと田舎」で起きたことだ。

しかも、こういう場所ほど、現役時代は都心に暮らし、会社でもそれなりの地位についていた「小金持ち」が多い。本当の田舎ならかつての役職など意味を持たないが、ここでは昔の肩書もまだ意味を持ってしまう。そうしたわずらわしさが、都会より濃密な人間関係のなかで繰り返される。

東北から沖縄まで地方移住歴が20年以上あり、日々、地方移住者の相談に答える清泉亮氏が語る。

「60歳を超えて田舎に移住した人は、10年以内に都会に引き返すことが多いです。現役時代の引っ越しであれば馴染めた場所でも、年を取って新しいコミュニティに入るのは難しいからです」

地域によっては消防団に強制加入させられることもある。参加を拒めば、「消防団活動費」1万円を徴収されるなど、理不尽な「ローカルルール」もある。うけいれたくない人も多いだろうが、完全に無視を決め込めば、それはそれで角が立つ。