新型コロナに苦しむ韓国で「左派の文在寅叩き」が加速…急先鋒の素顔

韓国政界が恐れる「デスノート」の使い手
牧野 愛博 プロフィール

与党が批判的コラム執筆者を告発?

最近は、陳氏の行動に刺激を受けたように、与党に鋭い批判を浴びせる動きも出てきた。高麗大学のイム・ミリ教授は、1月29日付で、進歩系の京郷(キョンヒャン)新聞に「民主党以外に」と題するコラムを寄稿した。

イム教授は文在寅政権を支える「共に民主党」について「国民の期待に応えるよりも、政権の利害関係に没頭している」という趣旨の論陣を展開。民主党以外の政党に投票しようと訴えた。韓国の政界関係筋の1人は「イム教授の主張はもちろんだが、進歩系の京郷新聞がコラムを掲載したことにも驚いた。これも『文在寅離れ』の現象の一つなのだろう」と語る。

これに対し、なんと「共に民主党」は2月13日、イム教授と京郷新聞の責任者を公職選挙法違反の疑いで検察に告発した。ところが、「表現の自由を萎縮させる傲慢な行動」という批判を浴び、あえなく翌14日に告訴を取り下げるという醜態を演じた。

韓国で起きている陳重権氏を支持する動きは、米国大統領選における民主党急進左派のバーニー・サンダース上院議員の躍進、あるいは日本でれいわ新選組代表を務める山本太郎氏への支持拡大と同じ、「両極化現象」のひとつと言えるのかもしれない。

 

文在寅大統領は3月1日の演説で「3・1独立運動の精神」を持ち出し、「団結した力で戦争と貧困に打ち勝ってきた。経済成長と民主主義を達成した」「我々すべてが、お互いを信じて激励し合い、今日に打ち勝とう」と訴えた。

しかし、韓国での新型コロナ感染者はすでに4200人を超えた。韓国のあちらこちらでは、「4月15日の総選挙の延期もやむを得ないのではないか」という声が漏れている。大きく中国に依存した経済構造から、景気の更なる悪化も避けられない情勢だ。

今こそ、文在寅政権は韓国の人々に「理解と団結」を呼びかけたいところだが、文氏の訴えはむなしい精神論で終わる可能性が高まっている。