教育界のノーベル賞
「Global Teacher Prize(グローバル・ティーチャー賞/以下GTP)」と聞いて、「知っている」と言う日本人はまだ少ないかもしれない。イギリスの国際教育機関Varkey財団が設立した「教育界のノーベル賞」とも称される賞で、優勝者への賞金は100万ドル(約1億1000万円)。2019年、全世界150ヵ国、およそ3万人のエントリーのなかから、この権威ある賞のTOP10に選ばれたのが、京都・立命館小学校の正頭英和教諭だ。
マレーシアのマハティール元首相も授業見学に訪れ(訪問時は首相)、海外での講演にも引っ張りだこという世界が注目するスーパーグローバルティーチャー・正頭先生の指導はいったい何が違うのか。おもに、3月12日発売の著書『世界トップティーチャーが教える 子どもの未来が変わる英語の教科書』からの抜粋で、今、世界で活躍できる子どもに必要な教育とは何かをお伝えしよう。
“英語を学ぶ”のではなく、“英語で学ぶ”
僕は京都の立命館小学校の英語科教師であり、6年生の担任をしながら、6年生120名全員に英語を教えています。
2017年から、英語力を伸ばすひとつの取り組みとしてマイクロソフト社の『マインクラフト』というゲームソフトを活用しています。
“マイクラ”の通称で知られるこのゲームは、レゴのようにブロックを積み上げて建物を建てたり、洞窟を探検してモンスターと戦ったりするなど、決められたゴールがない自由度の高いゲーム。小中学生を中心に世界中で大きな人気を集めています。
GTPで評価されたのは、授業にこのマイクラを活用した取り組みでした。では僕がなぜマイクラを授業で活用することになったのか、そのお話をまずさせてください。