知らないと損をする『進撃の巨人』が戦略思考に役立つ「意外なワケ」

中学生から始める、問題解決力トレーニング

あらゆる問題解決に結びつく「戦略思考」

「悔いが残らない方を自分で選べ」――リヴァイ(調査兵団・兵士長)

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「新作アプリの宣伝企画を作りたい。TVCMだけじゃなく、WEBとかPRも」

「老舗のチョコレートブランドを、シニア層に愛される存在に変えるアイデアはないか?」

「会社の次の30年をつくる新規事業を立ち上げたい。まず何から始めればいいかな?」

「新しい学校をつくるのだけれど、学生さんはもちろん、働く教職員の人も、やる気がでる学校にするにはどうすればいい?」……etc.

戦略という武器を使って、業界やジャンル問わず、様々な企業や団体の抱える悩みと向き合い、その解決策やクリエーティブ・アイデアを創る。それが「クリエーティブ・ストラテジスト」の仕事です。

この技術を、より若い方に届けようと、大学で授業を行う機会も増えてきました。そこで、確信したことがあります。それは、あらゆる問題解決に結びつく戦略思考は、10代から十分に訓練できるということ。

「読み書きそろばん」と同じように、体に沁みこませることで、使いこなせるようになるのです。むしろ、悩み多き学生時代にこそ、戦略は武器になるに違いありません。

しかし、残念ながら、そのための教科書が、これまで存在しませんでした。本屋で見つかる戦略論の多くは、戦争の歴史やビジネス書の中のもの。学生にとって、もっと馴染みのある題材で、戦略の基礎を学べるものがあればいいのに……。

そう思っていた矢先、講談社さんに「中高生から読める戦略論の本を作ってほしい」という、面白いお話をいただきました。

 

戦略のプロが出合った、アイデアの宝庫

講談社さんといえば、進撃の巨人。私は以前から、『進撃の巨人』という作品に対して、特別な思いを抱いていました。

もちろん、極上のエンターテインメント作品として堪能したことは言うまでもありません。それに加えて、この物語は、どんな分厚い戦略の専門書にも負けない、実践的な問題解決のアイデアに溢れた「戦略思考の教科書」なのです。

たとえば、冒頭のリヴァイ兵士長の言葉、「悔いが残らない方を自分で選べ」は、戦略家ひとりひとりが、胸に抱くべき名セリフです。

『進撃の巨人』で調査兵団が巨人と戦うとき、そこにだれかが用意した答えなどありません。もしあったとしても、刻々と変わる戦況の中で、そんなもの、すぐに使いものにならなくなってしまいます。それは、現実世界における私たちの悩みも同じです。