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新型コロナ、「マスク売り切れ」騒動だけじゃすまない「日本の大問題」

グローバルリスクへの備えは十分か…?
大原 浩 プロフィール

自給すべきは「食料だけ」ではない

農林水産省の資料によれば、平成30年度の食料自給率は、カロリーベースでは37%、生産額ベースでは66%となった。

カロリーベースという奇妙な数字を一生懸命宣伝しているのは、「農業保護」に国民の血税を投入させようという策略の一環であろうが、生産額ベースの66%というのも決して高い数値ではない。

飽食の現代では、食べ残しが大量に廃棄されることを考えても、有事対応においてぎりぎりのラインではないだろうか? 食糧輸入が途絶すれば、「肥満に悩む」のは、中世ヨーロッパのように「上流階級の特権」になるかもしれない。

もちろん、現代の農業は産業化されており、農業機械を動かしたり食料を運ぶトラック運送のためのガソリンや、化学肥料、農薬が入手できなければ生産・供給を維持できなくなる。

1973年の第1次オイルショックの後、日本が世界をリードする省エネ国になったのも、この時経験した「石油供給が途絶する恐怖」のトラウマの結果であろう。もちろん、日本のエネルギー効率が、世界トップクラスになったのは喜ばしいことである。

天然資源が地球上に偏在すること自体は、日本だけの力ではどうしようもない。輸入依存の全面的解決は難しいが、それでも、少しでも改善すべく国際石油開発帝石のような国策会社(経済産業大臣が18.9%を保有する)がオーストラリアやインドネシアなどでの天然ガスを中心とした生産に邁進している。

また、経済産業大臣が34%を保有する石油資源開発は、国内のガス田を地道に開発している。

 

「国富論」(筆者書評参照)を著した、アダム・スミスは、自由貿易主義者であったが、通商よりも「国防」が優先課題であることをはっきりと認めていた(もっとも、商工業者が「国防」にこじつけて特権を享受しがちであることは批判している)。