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新型コロナ、「マスク売り切れ」騒動だけじゃすまない「日本の大問題」

グローバルリスクへの備えは十分か…?
大原 浩 プロフィール

もし防護服やマスクが100%輸入製品であったなら…

「グローバル化」という美辞麗句に踊らされて、潜在的なリスクを十分考慮せず「まさかの備え」を行わずに海外進出した日本企業はいま青ざめているであろう。

彼らがリスクに対して鈍感であることは、12月24日の記事「ウイグル人権法案、じつは『日本企業』が他人事とはいえない可能性」などで述べてきた。泥縄式といえないこともないが、ビジネス・経済のグローバル化のリスクに今から「まさかの備え」を行っても、何とか間に合うかもしれない(今回の武漢肺炎の影響で壊滅的ダメージを受けなければの話だが……)。

グローバル化の潜在リスクについては、2月20日の記事「新型コロナが突きつけた『グローバル化は人類のリスクか』という問い」や、2018年1月30日の記事「やっぱりグローバリズムの不利益を再認識すべきときが来た」などで詳しく述べてきた。

問題はパンデミックだけではない。もし世界がグローバル化によって「1つ」になれば、バックアップ(文明)が存在しなくなり、人類滅亡の危機にさらされることは前記「新型コロナが突きつけた『グローバル化は人類のリスクか』という問い」の冒頭で、イースター島を例に挙げて詳しく解説した。

そして、経済活動においても同じことが言える。

〔photo〕gettyimages

例えば、今回の「マスク売り切れ騒ぎ」の中で、多数の政治家、官僚、役人が、国民の迷惑など顧みず、共産主義中国に忖度してマスクや防護服を「贈呈」したことについては、騒ぎが落ち着いてからゆっくり論じることにして、そもそも「マスク売り切れ騒ぎ」の大きな原因の1つは、マスクの(中国を中心とした国々からの)輸入比率の高さである。

一般社団法人日本衛生材料工業連合会(JHPIA)の資料によれば、2018年に日本で約55億枚流通したマスクのうち、国産は約11億枚で残りの約44億枚は輸入品である。つまり、輸入比率が80%にも達していたのだ。

平時であれば、マスクが輸入品であろうと国産品であろうと、「安く手に入ればそれに越したことはない」と考えられるであろう。

しかし、武漢肺炎のような事態が起こって初めてそのリスクに気付く。

 

もっとも、サージカルマスクは直径5μm(マイクロメートル)までの粒子を除去するようできているが、細菌の大きさは約1μm、ウイルスは0.02~0.1μm程度で「自由通行」するから意味を成さない。

ただし、咳やくしゃみは、粒子の周りに水分を含んだ直径約5μmの飛沫となって飛ぶためサージカルマスクも意味がある。他人に感染させないエチケットとしてマスクは重要なのだ。