「ステップファミリー」って?

同性愛者かも? と考えた時と同じで、私のまわりに再婚家族のママ友はいませんでした。いや、これもLGBTと同じで、本当はいたのだと思います。当時すでに、結婚する夫婦の4組に1組近くが再婚。LGBTに比べたら理解されやすい気もするけど、当事者としてはやはり言いにくい。そういうことを知り、もっと再婚家庭や、継子との関係の結び方を学びたいと思いました。

ちょうど継母コミュニティの参加者のひとりが、子連れ再婚家庭を支援する団体でスタッフをしていました。彼女は、前妻と死別した年上の男性と結婚し、難しい年頃の子どもの継母になった人です。真面目な性格で話しやすい彼女に、支援団体についてそれとなく聞いてみると、どうも子連れ再婚家庭について“勉強”する団体だとわかりました。

団体名は「ステップファミリー・アソシエーション・オブ・ジャパン(略称SAJ)」。ステップファミリーという言葉を、その時初めて知りました。

ステップファミリー?
なんかホップ・ステップ・ジャンプ的な?

SAJはノンケさんの団体なので、ここでも長いカミングアウトのメールを送り、代表の女性と池袋の喫茶店で会うことになりました。待っていたのは理知的な雰囲気の女性で、彼女自身も実子を連れて、子どもと離れて暮らす男性と再婚をしたステップファミリーでした。

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「失礼ですが、LGBTの人にお会いするのは初めてで、まずはお話をしたいと思いまして」と切り出され、私は同性パートナーの娘との葛藤、もっとステップファミリーについて知りたいと思っていること、なによりこの苦しさから解放されたいと願っていることを説明しました。彼女はじっと耳を傾けて、最後にはこう言ってくれたのでした。

喜んでご参加をお待ちしています。
SAJはあなたのような人のためにあるコミュニティです。

当時のSAJは、年に何度かの勉強会や講演会が活動のメインでした。正直、ハードルが高い感じがしたのですが「このままじゃダメだ!」と、「ステップファミリーの大人のための連続講座」なるものに飛び込むことにしました。講習に先立って届いた分厚い封筒には、数冊のテキスト。そこにはステップファミリーについての情報がみっちりと書かれていました。

まずステップファミリーのステップとは、“継父” “継母”“継子”などの継親子関係を含む家族を一括して指し示す言葉ということ。はじめに「ホップ・ステップ・ジャンプ?」と思った、その明るい印象とは逆に、シビアな関係を表す言葉だったのです。

また、日本は圧倒的なステップファミリー後進国であることも知りました。結婚するカップルの4組に1組近くが再婚家庭(当時)であるにもかかわらず、包括的なサポート体制がなにも整っていないし、そもそもステップファミリーという言葉さえ一般に浸透していない……。