2. 「全員にPCR検査すべき」は適切ではない

政府は現在、PCR検査は重症例に絞る方針であり、重症例に医療資源を集中し、軽症例は自宅待機を推奨している。そのため、中には病院や保健所から検査を断られる人もいる。

この「検査を断られる」という現実に対し、多くのワイドショーのコメンテーターや「専門家」たちは憤る。大学教授で、感染症が専門だというある女性コメンテーターは、PCR検査がなされていないことに対し、「疫学調査がきちんと行われていない」「見えないことはなかったことにするという感じ」と発言していた。同番組では検査が増えないことについて「政府による隠蔽」であると示唆する向きもあった。

しかし現在、国内では散発的な流行が起こっており、新しい発症はほとんど経路のわからない感染だ。感染者は、国内に大量にいるわけではないものの、ある程度広がっていると推測される。そのような状況で、無症状例や軽症例にPCR検査を行って感染を確定し、隔離をしても意味がない。もはや感染者を「隔離」する段階ではなくなっている

〔PHOTO〕Getty Images
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新型コロナウイルス肺炎は、今のところ抗ウイルス薬など特定の治療薬はなく、対症療法を行うだけであり、無症状や軽症例に特別な治療は必要がない。「検査を行っても治療法や対処法が変わらない場合、その検査は行う意味がない」と考えるのが医学の原則なのだ。