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新型肺炎騒動のウラで、いま日本で「非正規公務員」から悲鳴続出のワケ

「会計年度任用職員制度」の大問題
竹信 三恵子 プロフィール

公務の空洞化に対抗するために

今回のホットラインは、会計年度任用職員制度にせよ、民間委託にせよ、公務の質や量を考慮せず、住民サービスに公費を回そうとしない財政政策が、非正規職員や委託先職員の公務の著しい空洞化を促していることを明らかにした。

公務の空洞化については、今回の新型コロナウィルス感染症問題でクルーズ船の衛生環境の問題点を指摘した医師の意見を、厚労官僚が取り上げなかったことが批判を呼んでいる。

これについて米国在住の作家の冷泉彰彦氏は、責任者クラスの人に、「感染症対策の専門スキルがない」だけでなく、「一般的な管理スキルもない」という状態だということが推察される、としている。(https://www.mag2.com/p/news/441763

その「一般的な管理スキル」として冷泉氏は、情報流通を迅速に行う、ネガティブ情報を歓迎する、方針に誤りがあれば直ちに訂正する、自分より有能な部下に気持ちよく仕事をさせるなどのポイントを挙げている。

会計年度任用職員制度は、このすべてを発揮させない効果も持つ。1年有期の合法化によってモノを言えば翌年の更新はない、という不安が増幅され、「管理スキル」の前提となる「現場を知る部下からの発信」が、大幅に抑制されてしまうからだ。

また、災害の頻発の中、その対策を担う地方自治体で「1年たったら契約切れ」の非正規公務員たちに危機対応の責任を負わせられるかという指摘も出てきている。

 

大阪府箕面市は2019年、「非正規公務員」の実態に即して、短時間でも無期雇用の職員を設けられる条例の制定権を認めるよう総務省に求めている。これも、今回の会計年度任用職員制度の導入の中で、たなざらし状態になった。

人件費削減の辻褄合わせとしての「会計年度任用職員」を早急に廃止し、まずはこうした現実的な労働政策を取り入れるところから始める必要がある。