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新型肺炎騒動のウラで、いま日本で「非正規公務員」から悲鳴続出のワケ

「会計年度任用職員制度」の大問題
竹信 三恵子 プロフィール

その先は民間委託へ…?

筆者の知人の非正規公務員の間でも、長期に必要な仕事を「1年」で形式的に切ることが合法化されたことや、仕事に見合った待遇を保障しようとする姿勢が見られない制度設計への失望感から、優秀な人がやめていく例が目立つ。

うち一人は、専門や実績にかかわりなく来年度から一斉公募を導入する、と言い渡され「これまでの積み重ねは何だったのか」「新制度は非正規いじめ」と怒りをぶつける。

正規公務員は「ジェネラリスト」として頻繁に異動し、現場を守り続けるのは非正規という実態が広がる中で、非正規公務員からは「仕事のことがわからない正規にはいてもらわない方がやりやすい」という声が出るような皮肉な現象まで起きている。

加えて、これまでは「特別職」として労働基本権が認められ、一人からでも加入できる労組に加入できていた職員も、「会計年度任用職員」として公務員扱いになることで、正規中心の職員労組に加入するほかなくなり、労働条件についての発言が一段としにくくなる恐れも指摘されている。

このような中で公務が空洞化していけば、その先には、「民間委託すればいい」という選択が待ち構えている。

だが、これによって「公務の空洞化」が防げるかどうかは予断を許さない。今回のホットラインでも民間委託先の職員からの相談として、委託を受けた機関に、必要とされている相談支援に見合う専門知識が足りない職員が多いというものがあった。

 

民間委託は入札価格の安さを競わされ、委託企業は人件費の削減でこれに対応せざるをえない構造になっており、多くの民間委託現場で低い委託費を職員の待遇引き下げで吸収しようとする姿勢が問題になっているからだ。