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新型肺炎騒動のウラで、いま日本で「非正規公務員」から悲鳴続出のワケ

「会計年度任用職員制度」の大問題
竹信 三恵子 プロフィール

賞与は出るが「月額引き下げ」って…

「任用」なので、非正規公務員にはパートタイム労働法に規定された均等待遇も適用されない。

当初のふれこみは、「1年有期でもフルタイムなら正社員並みの給与が出るほか、パートでも報酬は従来通りだが賞与などは支給していいから改善」だった。

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ところが、均等待遇の基本である「仕事が同じなら賃金は同じ」の原則が適用されないため、1日5分、10分短い契約にしておけば、正職員並みの仕事でも「パート」扱いとなり、報酬は従来通りの低賃金でOKとなる。

賞与も「支給できる」であって、「支給しなければならない」ではない。

このような弊害から、オランダでは、同等の仕事について、労働時間が短いことだけで待遇格差を容認することを「労働時間差別」として1996年に禁止している。

こうした中で、ホットラインでは賃下げ相談も相次いだ。特に目立ったのは、「新制度にうたわれたパートへの賞与は出ることになったが、代わりに月額が減らされる」というものだ。

ほかにも、「新年度から月額7万円減る。組合で交渉したが強く言うと民間委託されるのでこれ以上言えない」、「仕事内容は正職員と同じになり諸手当や賞与が出ると言われていたが、勤務日数を週3日から2日に、1日7.5時間から6.5時間にされ、この条件以下の職員には賞与が出ないと言われた」、「賞与が出ると喜んでいたが、予算がないので人員を4人を2人に減らすようだ。おかしい」といった実質削減についての不満が相次いだ。

 

同研究会によると、ホットラインから、賃金引き下げの手法として(1)金額削減、(2)労働時間削減、(3)人員削減、の三つがあり、それらが予想を超えて広がっていることが浮かび上がったという。

ホットラインの後は、政府による突然の臨時休校要請で、休業補償はどうなるのかという悲鳴のような声が学校関係の非正規公務員から相次いでいる。本来は休業を指示した教育委員会が休業手当で補償するのが筋だが、非正規職員は「要請」騒ぎの中で置き去りにされた形だ。

会計年度任用職員制度は、こうした働き手をさらに増やしていくことになりかねない。