新型コロナ、全日本人が知っておきたい「大騒動の論点」

検査は万能なのだろうか…
原田 隆之 プロフィール
表-2 事前確率と検査結果

たとえば、PCR検査が感度90%、特異度90%であったとする(こんな精度の検査はありえないが)。

これほどの精度の高い検査で陽性と出たら、確かに病気に罹患しているのだと信じ込んでしまうが、実際は必ずしもそうとはいえない。事前確率が小さい場合にそれが当てはまる。

そもそもその病気の発生頻度が、10万人に1人だとする。100万人を一斉に検査したとすると、発生頻度は10万分の1だから、実際の感染者は10人となる。一方、非感染者は、99万9990人となる。

検査の感度が90%なので、検査で正しく陽性と判定される人は9人で、ほぼ感染者全員が正しく判定される。偽陰性はきわめて少ないが、それでも1人いる。

一方、非感染者99万9990人のうち、誤って陽性(偽陽性)と判定される人が10%いるのだから、99,999人、つまり約10万人もの人が誤って陽性と判定されることになる。

 

このように、事前確率が小さいときは、偽陽性が増えてしまい、検査の精度が高くてもあまりあてにならない検査ということになってしまう。

COVID-19の場合、潜伏期や見落としもあるだろうが、現時点で日本では200人弱程度の発生状況だから、今のところきわめて発生頻度が小さい疾患ということになる。

野党が言うように、病気が疑われる人のみならず、不安で仕方ない人をすべて検査したとすると、相当数の見落としがある反面、もしかすると膨大な数の偽陽性者が出て、病院はパンクして世の中は大混乱に陥り、一層社会不安を煽るだけの結果になってしまうだろう。

そうなると、経済に与える打撃も相当なものだろうし、オリンピックの開催など吹っ飛んでしまうかもしれない。