新型コロナ、全日本人が知っておきたい「大騒動の論点」

検査は万能なのだろうか…
原田 隆之 プロフィール

ダイヤモンド・プリンセス号で陰性と判定され下船した人が、その後発症したことがたびたびニュースになっている。これは、検査後に感染したケースもあるだろうが、検査で見落とされた(偽陰性)ケースも相当あるはずだ。

つまり、「検査、検査」と声高に叫んで、闇雲に手間のかかる検査をしたところで、相当な数の見落としがあれば、そもそも感染の予防や治療にはそれほど役立たないことになってしまう。

検査を万能視し、検査すればそれで安心というのは、きわめて非科学的で安易な考えである。国会議員もテレビのコメンテーターも、専門家の主張をよく聞いて、冷静に発言すべきである。

したがって、厚生労働省が言うように、熱が4日以上続くなどの症状がある場合、高齢者や基礎疾患のある場合、感染者との濃厚接触があった場合などの「ハイリスクケース」に限定して検査をし、その結果を確定診断に用いることは、きわめて合理的で正しい選択というべきである。

さらに言えば、「熱が数日続く」「高齢である」「基礎疾患がある」「武漢への渡航歴がある」ということでスクリーニングすること自体が、すでに「簡易検査」なのだともいえる。PCR検査だけが検査なのではない。

 

もう1つの落とし穴

さらに、検査結果を判断するとき、事前確率(発生頻度、有病率)というものも考慮する必要がある。

発生頻度(有病率)が小さい疾患は、そもそも検査で正しく判定することが、一層困難になることも知っておく必要がある。