photo by Getty Images

ダイヤモンド・プリンセス号の悲劇…世界から遅れた日本の対応

最大多数の最大幸福を考えない国

善意が善意で返ってくるとは限らない

まず、日本政府が、ダイヤモンド・プリンセス号という彷徨うクルーズ船に誠意をもって対応し、日本のクルーズ船対応関係者も身の危険を顧みず奮闘したことを讃えたい。日本人の献身的な行為は、世界の多くの人々に感謝されている。

一時期ユーチューブで、外野の「感染専門医」の話が広まったが、その話を真に受けることはないし、その動画は既に削除されている。

しかし、「今回の厚生労働省を中心とする日本政府の対応は正しかったのか?」という問いに対しては、はっきり「ノー」といえるであろう。

要するに、現場では担当者が命がけで奮闘したが、そのような状況をつくりだしたのは、関西弁で言えば、「上司がアホやから」である。

クルーズ船の船籍が英国で、運航会社が米国で、横浜港を起点として日本人乗客が多数搭乗しているという状況は確かに複雑だ。しかし、そのクルーズ船から降り、チャーター機に乗ってから感染が分かった米国人を連れ帰ったことに米国のトランプ大統領は激怒した。

さらに、英国は日本政府に謝意を示すどころか、「東京オリンピックの開催が難しいだろうから、ロンドンで開催したらどうですか?」とロンドン市長候補が提言する有様だ。

なんとひどい!と思う読者も多いかもしれないが、それがいわゆるグローバル・スタンダードである。

「成功には何百人もの父親がいるが、失敗は孤児である」のだ。善意であっても、失敗は失敗である。多数の同胞や友好国の乗客が乗った船を追い返すのは、日本人にとってつらいことだし、後々の反応を考えても躊躇する。しかし、それを押し切って勇猛果敢に「最大多数の最大幸福」を追求するのが、有事における本来の「リーダー」である。

悲しいことだが、「外国人を助ける」と言いながら、大多数の日本人を犠牲にしたのが、今回の日本政府の対応だ。

 

しかも、クルーズ船を降りた乗客がそのまま公共交通機関で帰宅したり、すし屋に直行したり……さらには、クルーズ船を担当した厚生労働省の係官が、検査を受けずに職場に復帰している。

このニュースを聞いたとき「(嘘のびっくりニュースばかりを掲載することで有名な)虚構新聞」の記事かと思ったほどである。

しかも、4月に予定されていた習近平氏来日を意識したのか、ほとんどの先進国が行っている「共産主義中国」からの入国をストップせず、一部地域からの入国制限にとどめた。

外国政府を優先し、国民の生命・安全を犠牲にする政府は、国民ファーストどころか「国民ラスト」としか言いようがない。