3月1日 世界初の自動改札システムが日本に登場(1967年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1967年の今日、それまで天神橋駅と南千里駅を結んでいた大阪の鉄道路線・京阪神急行電鉄(当時、現阪急電鉄)千里山線が北千里駅まで延伸され、それと同時に北千里駅に世界で初めての自動改札機が設置されました。

 

硬貨を投入する形式の自動改札機は1920年代から存在しましたし、所定の切符を自動的に通す改札機も使われるようになっていました。ですが定期券などは使えない上に、通過までに3秒ほどかかってしまうので、ラッシュ時には混雑の原因となって、怪我人が出るなどの問題もありました。

自動改札1950年代に撮影されたカナダ・トロントの地下鉄改札 Photo by Getty Images

そこで日本では、1970年の大阪万博までに「切符や定期券に記録された情報をスムーズに読み取る自動改札システム」を実用化しようという機運が起こりました。最初に動いたのが近鉄です。近鉄は当時大阪大学の大学院生だった白川功(しらかわ・いさお、のち大阪大学教授)に、定期券にあけた穴から通用経路や有効期間を判定できるようにするシステム開発を要請しました。

白川は1964年からおよそ半年かけて、グラフ理論的手法を活用して定期券の穴を識別できる仕組みを開発。しかし近鉄は国鉄(当時)と共通の定期券を使用していたことから、調整が難しいとして自動改札機の研究から撤退してしまいます。

プロジェクトを引き継いだ立石電機(現オムロン)は、磁気データのデジタル信号を活用することで、有効な定期券や切符を通すとバーが回って通れるようになる一方で、期限切れの定期券や切符なしで通過しようとした時にはブザーが鳴る改札機の開発に成功。実験を重ねたのち、ついに1967年に京阪神急行電鉄(当時)に実験用試作機を採用させたのです。

北千里駅でのシステム導入は、「改札業務が自動化される時代になった」と大きな話題を集め、導入初期には改札機に紙幣を直接入れようとする人が現れるなど混乱を招いたものの成功を収めます。

これを受け、関西圏では1975年末までに全ての大手私鉄と大阪市営地下鉄で自動改札機が導入され、20世紀末には日本中に2万台を越す自動改札機が導入されました。

北千里駅が2017年に改札機導入50周年の入場券を配布した際には多くのお年寄りも訪れ、記念切符を片手に当時を懐かしむ姿が見られました。