人間の失敗は『こんなはずじゃなかった』というケースが大半で、それは逆に言えば『その結果を想像できなかった』からだと言えます。
でも、仮にどれほど想像力があったしても、人間が神のごとく完璧な存在になるのは不可能です。絶対に失敗しない人なんていないでしょうし、何の下積みもなく成功できるわけでもないでしょう。
僕たちは、できない経験を経たり、失敗や挫折を重ねたりして成功体験を得るものなのだと思います。
それが現状、いつの間にか「挫折を繰り返すことはムダ」「失敗はなるべく避けるべき」という環境にさらされていないでしょうか。
賞賛の陰には、努力や辛抱、失敗や挫折はつきものだと思います。
イチローさんだって、打率のトップをひた走っている絶頂のときも、素振りは欠かさなかったそうです。素振りせずにプロになった野球選手は、おそらくいないでしょう。
ちなみに、失敗には「やらない失敗(練習不足)」と「やりすぎの失敗(練習過多)」があります。
今は社会全体として余裕がないので、前者は「やれなかった失敗」となってしまう場合もあります。
社会に出れば、研修期間はそこそこに、いきなり表舞台に放り出されたりします。準備にかける時間は少ないくせに、猶予期間が皆無だったりするので、個人にも組織にもバッファ(遊び)がないのです。