2019年3月の結婚を機に、11年勤めてきたテレビ朝日を12月末で退社したアナウンサーの竹内由恵さん。局アナとして最後の出演となった『報道ステーション』の番組卒業の挨拶でこう述べた。

「結婚することになりまして、東京を離れるんですけども、この仕事を続けることが難しくなってしまいました。これからというところで残念という気持ちもあるのですが、私としてはやり切ったという思いがあります」

この翌日、竹内さんは荷物をまとめ、次の日に東京を離れたそうだ。愛する夫を支える妻として生活を送るため、静岡へ移住。もうテレビで勇姿は見ることはないと思っていたが、2020年2月20日、大手芸能事務所アミューズに所属し、静岡を拠点に活動することを発表。移住から約5ヶ月での復帰宣言だった。なぜこの短期間で仕事復帰を決意したのか――その心境を伺った。

インタビュー&文/エビス_セイキ

変化する仕事への達成感と情熱
そこに訪れた結婚という転機

「テレビ朝日にいて、キツい、やめたいと思ったことはなかったですが、20代のように情熱をもって仕事ができているのだろうか。そう自問するときはありました。20代のときは、たくさんの目標があるから、自然と夢中になってやってこられました。でも達成していくうちに慣れてしまう部分もあって。仕事に対してこんな向き合い方でいいのかな、自分自身を変えたいという気持ちがどこかに芽生えたんです

――本当に結婚だけが退社の理由だったのだろうか。新人アナウンサーながら人気番組のサブMCに抜擢。その勢いでテレビ朝日を代表するアナウンサーに成長し、局の顔を担ってきた。「テレビ朝日での仕事が楽しくなくなったのではないか?」と質問をぶつけると、竹内さんは「自分の中では次の目標がなかなか見つからないくらいに満足していたので、楽しいか楽しくないかもよくわからなくなっていました」と答えた。そんなとき、運命の出会いを果たす。

『報道ステーション』を担当しはじめてから、今の夫と知り合いました。テレビ朝日のなかで大きな番組を任せてもらっているので、もちろん続けたい気持ちはありましたが、結婚したいと思える相手に巡り会えたそんなことは二度とないかもしれないから、今はその気持ちを大事にしたい。そして、家庭を築いていくうえで遠距離のまま仕事を続けていくスタイルを自分はしたくない。そう思い、退社を決断しました」

撮影/山本倫子