防衛大学校が「悪しき体育会系」の総本山になっているヤバい実態

海外の軍関係者にも呆れられている
松岡 久蔵 プロフィール

「国際交流」に実態はあるか?

前回、筆者は陸上自衛隊が最重要同盟国である米国との共同訓練で、英語でのコミュニュケーションが満足にできていない現状があることを報じた。しかし、防衛大の入試難易度は難関とされる私立大学と同程度であり、にわかには信じがたい。

防衛大は前校長の五百旗頭真氏の時代から、国際交流教育重視にかじを切ってきた。五百旗頭氏が校長を務めていた2006年から2012年にかけて、(1)4年間の留学生受け入れ(卒業資格付与)、(2)約4ヵ月の1セメスター交流(派遣・受け入れ)、(3)短期派遣・会議等の短期交流(派遣・受け入れ)が進められた。これにより米国や欧州だけでなく、タイなどアジアにも受け入れ・派遣先が広がった。

防衛大のホームページによると、昨年4月時点で、一般大学の学部生にあたる本科学生は1990人、大学院生にあたる研究科学生は162人で総勢2152人。このうち留学生はそれぞれ115人、21人で合計136人で約6%を占めている。

だが当時の状況を知る防衛大卒の自衛隊幹部は、この「国際交流」は眉唾だと話す。

「五百旗頭氏は『民間人材の登用』をスローガンに就任しました。彼は国際化を打ち出して各国に出向き受け入れ・派遣先を準備したまではよかったのですが、肝心の防衛大側の体制を全く整えないまま見切り発車したため、現場に大変な混乱を与えました。

海外留学に必要な英会話などのスキルを学生に教えるカリキュラムを組まなかったために、米軍の士官学校に留学した学生が引きこもりになって、米国側から強制送還される直前までいった例や、1セメスターも留学したのに学習成果がなく、何の意味もなかったという例もあります。単位交換の制度も未整備だったため、学生が卒業困難になりかけたこともありました。

 

各国の士官候補生を呼んで議論させる国際士官候補生会議(ICC)も五百旗頭時代に拡大した事業ですが、防衛大生はまともに英語でディベートできず、報道公開できない状態でした。各国の士官候補生からの失笑を買ったのは言うまでもなく、米軍の士官学校生からは『日本には行く意味などない』との声も上がっています。東南アジア各国からも、欧米諸国への留学が叶わなかった学生が来るようになりました。