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防衛大学校が「悪しき体育会系」の総本山になっているヤバい実態

海外の軍関係者にも呆れられている

自衛隊が、いま岐路に立っている。組織の進むべき方向を示せない。年功序列と、無意味で形骸化したしがらみに縛られる――。その姿は、そのまま日本社会の姿と重なる。本連載では現役の自衛隊幹部への取材を通して、彼らが直面する根深い課題を浮き彫りにする。

米軍の士官学校との大きすぎる差

「自衛隊の問題は、防衛大学校にその根っこがある」

ある陸上自衛隊幹部はこう嘆く。

自衛隊幹部を養成する日本唯一の教育機関、防衛大学校――。防衛大が抱える矛盾は、自衛隊そのものの矛盾でもある。

「例えば、最近の防衛大卒は前線に立つ戦闘職種をほとんど志望しない。これでエリート軍人の養成学校と言えますか?」

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近年、自衛隊で戦闘職種への配属を希望するのは、一般の大学を卒業した幹部候補生ばかりだという。この幹部が続ける。

「防大卒でなければダメだという気は全くないのですが、それなら、防大は一体何のためにあるんでしょうか? 自衛隊幹部の約7割は現場からの叩き上げです。その多くは大学を出ておらず、軍事の高度な専門教育ではなく、現場での経験を基礎に育ってきた人材なのです。

一方でたとえば米軍の士官学校はどうかというと、代々エリートの家系出身だったり、高校時代までにリーダーとしての業績を築いたりした優秀な人間が高度な専門教育を受けている。学位も修士以上はザラですし、叩き上げであっても将校になれば大学卒の資格を取らなければいけません。自衛隊との差は明らかです。

 

軍隊の戦略、戦術が高度化した現代では、現場のことをよく知っているということは、軍人のほんの一要素に過ぎない。むしろ抽象的に物事を考えられる力が求められているのです」