新型コロナの感染ルートを追う「特命チーム」が目撃した、重い現実

これは21世紀のペストなのか…
週刊現代 プロフィール

不特定多数の感染も危ぶまれる

一歩間違えれば、自分も感染するかもしれない。戸惑いと恐怖は大きいが、これだけの一大事に、自治体としての威信がかかっている。

「濃厚接触者は、感染者と直接面識や身体的接触がなくても、長時間同じ空間にいたり、唾液や汗に触れる恐れがある人も指します。そうした基準から、一日に何千人とすれ違うなかで、感染の可能性が高い人物を絞り込んでいます。

一人あたり50人以上の単位の濃厚接触者を割り出し、全員に連絡して体調を聞いていきます」(名古屋市健康福祉局関係者)

感染が疑われる人物がいれば、喉の粘膜などの組織を採取し、ウイルスの有無を特定する「PCR検査」を行う。陽性だと判断された患者は隔離施設がある病院へ運び込まれる。

こうした調査のなかで、県内で感染が広がった経緯が明らかになりつつある。特命チームは3、4例目の感染者となった、60代の夫婦の行動に注目した。夫は2月14日、妻のA子さんはその翌日に名古屋市衛生研究所で感染が確認されていた。

「夫婦は陽性反応が出る1週間前に、ハワイへ旅行に行っていました。マウイ島に宿泊していたことや、飛行機の中ではマスクをしていたのかなどを聞くなかで、夫のほうが現地で体調を崩していたことがわかったんです。

ハワイは感染者が報告されていませんが、島民はほとんどマスクをしておらず、検査キットもないに等しい。当局に問い合わせても確証はない。方針を切り替えて、日本に帰ってきてからどこに行ったかを調べる方向にしました」(同・関係者)

 

A子さんの陽性反応が出た翌日の16日、A子さんの知人男性から陽性反応が出た。そして17日にはこの男性の知人からも陽性反応、そのまた翌日18日には、新たに感染した2名と一緒にいた男性がウイルスに感染していた。

一方で、A子さんがハワイから帰国後、9日、10日、12日の計3回、前出のイオン内にあるスポーツクラブに通っていたことがわかった。ジムの会員は1000人超、不特定多数の感染が危ぶまれている。