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みずほ佐藤会長の告白「銀行員の『終身雇用・年功序列』はもう終わる」

人間にしかできない仕事は残る。ただ…
小野 一起 プロフィール

手塚治虫とハラリの「共通点」

佐藤 確かにAIの分析力には限界があります。ただ、8割当たっていると思った時に、人間は全てを信じてしまいます。実は、そこにも重要なカギがあります。

先日、こんな話を聞きました。ある夫婦が、AIで誕生する子供のシミュレーションを行った。あまり良い結果が出なかったので、お互い納得の上で離婚をしたそうです。

それだけの信憑性をテクノロジーが社会に与え始めている。この流れは止まらないでしょう。

〔photo〕iStock

僕は手塚治虫の『火の鳥』は、あらためて凄いと感じています。特に「宇宙編」は、ぜひ多くの方に読んでもらいたい。宇宙編では、AIが世界を征服、人々はAIに支配されています。主人公には恋人がいるのですが、『絶対に2人はうまく行かない』とAIから言われて、別れようとするシーンがあります。

今から60年も前の漫画です。ほんとにすごいですよね。『火の鳥』の構成は、まず太古の時代から始まります。その後に未来が来て、また過去に戻る。そうやって、だんだん現代に近づいていくのです。『火の鳥』は未完のまま手塚治虫は亡くなってしまいましたが、僕は手塚治虫がどのようにこのストーリーを終わらせようと思っていたのか、とても気になります。

実はいまベストセラーになって話題になっているユヴァル・ノア・ハラリの3冊の本も、『サピエンス全史』で過去が、『ホモ・デウス』で未来が、そして『21 Lessons』では現代が描かれています。火の鳥と全く同じ構成です。身震いするような話です。

 

小野 現代を代表する知性であるハラリと、希代の天才漫画家、手塚治虫が、同じテーマに、同様のアプローチで迫っているのは偶然を超えた何かを感じさせますね。こうした偶然こそが、AIでは生み出せない人間的な何かでしょう。過去のパターンから解析されるものではなく、人間の感性を生かして何が生み出せるかを考えないといけません。

例えば、ビジネスの世界でいえば、イノベーションを生み出したり、そこに投資したりするのはやはり人間にしかできないでしょう。AIには、アマゾンやグーグルをゼロから生み出すことはできないでしょうし、ガレージで生まれたばかりのマイクロソフトに投資する判断もできません

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