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みずほ佐藤会長の告白「銀行員の『終身雇用・年功序列』はもう終わる」

人間にしかできない仕事は残る。ただ…
小野 一起 プロフィール

AIをどこまで信じていいのか

小野 これからの銀行員は、企業の将来を見据える本当の意味での目利き力が必要ですね。本物の目利き力は、簡単にはAIでは代替できません。僕は、それを動画コンテンツの推奨についても感じます。

僕は動画配信サイトのネットフリックス(Netflix)が大好きで、特にオリジナルコンテンツの制作力には、いつも驚嘆しています。ただ、アピールポイントの一つになっている推奨機能については、疑問点もあるんです。

〔photo〕gettyimages

個人の過去の鑑賞記録や、属性等に基づくビッグデータを活用、AIを駆使して、最適なコンテンツが推奨されることになっています。例えば、僕の場合、『ゴッドファーザー』と『グッドフェローズ』は、両作品ともネットフリックスが提供する推奨機能では「マッチ度:97%」です。両作品ともにマフィア映画で、ロバート・デニーロ(ゴッドファーザーはパート2に出演)が主演していて類似コンテンツに分類されるのかも知れません。しかし、僕にとっては全く別物です。個人的な趣味で言えば、ゴッドファーザーが圧倒的に凄い映画なんです。

一方で、昨夏に話題を呼んだオリジナルコンテンツの「全裸監督」は、昨年、私が鑑賞した動画コンテンツの中で、最高の作品でした。しかし私の場合「マッチ度:77%」です。

 

映画の推奨も、いわば目利きですよね。僕の中では、AIをフル活用したネットフリックスの推奨より、センスの良いと感じている友人からの推薦の方が、いまだに目利きとして信頼できます
 
佐藤 確かに、大量にデータを収集して高度なAIを使っていても本当に顧客満足度が高くなるとは限りませんね。例えばレストランの人気を評価するサイトで、フェイクの情報をアップして点数を操作していた件が話題になりました。僕はレストランについては、そうしたサイトの評価を絶対信用していません

小野 知人のAI研究者が、こんな話をしていました。『AIで把握できる個人の嗜好などは、8割程度に過ぎない。残り2割の独特の個性は、AIでは把握しようがない』。ビジネスを考える上でも、AIを絶対視するのではなく、どこに人間の持つ個性を生かせる2割の部分があるのかを見極めることが重要ですね。

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