手続きを忘れると大変なことに…4月スタート「配偶者居住権」に要注意

家も税金も取られます
週刊現代 プロフィール

「夫婦で『(2)仮登記』をするのです。これは、次に入る予定の登記をあらかじめ登記簿に書き込んでおける制度です。業者も仮登記がついている物件は購入しません」(前出・内藤氏)

ところが、遺言書で配偶者居住権を設定する場合、この仮登記は使えない。遺言書は死んでから効力を発揮するものだからだ。

仮登記をするためには、遺言書より効力が強い契約を、生前に結んでおく必要がある。これを、「死因贈与契約」という。

具体的な手順を見て行こう。公正証書で契約書を作り、夫を甲、妻を乙として、「甲は以下の建物について配偶者居住権を乙に贈与することを約し、乙はこれに承諾した」と記載する。必要な書類は夫、妻それぞれの印鑑証明書と実印、住民票、さらに夫の戸籍謄本、自宅の登記事項証明書または納税通知書だ。

次に、この契約書をもって、法務局に行く。

「法務局では、始期付き配偶者居住権設定仮登記をします。『始期付き』とは、夫が死亡する日に効力が生ずるという意味です。仮登記と本登記の申請時に、それぞれ建物の評価額の0・1%ずつの登録免許税を納めます」(前出・内藤氏)
 
妻と子の仲が良好な場合も仮登記は必須だ。もし子どもが隠れて借金を抱えていれば、仮登記がないと、妻が家を失うことになる。

 

夫の死後、子どもにおカネを貸している金融機関や消費者金融が、家を差し押さえてしまうからだ。家は競売にかけられ不動産業者のものとなる。理不尽だが、「登記していなかったのが悪い」のが現実だ。

妻のためを思えば、多少面倒でも、遺言書よりも確実な仮登記を用意しておくべきだろう。