手続きを忘れると大変なことに…4月スタート「配偶者居住権」に要注意

家も税金も取られます
週刊現代 プロフィール

後日、相田さんは100万円以上の相続税と、それに加えて無申告加算税約20%、さらに延滞税年8・9%分を一括で支払うハメになった。

Photo by iStock

こうした税務調査は年間約1万2500件行われ、そのうちの8割以上の人が追徴課税を取られている。

実は、この種の税務調査を受ける人の多くは、相田さんのように自分は相続税の対象ではなく、「払う必要がない」と思っていた人たちだ。特に、自分が住む住宅の登記について把握していない人が多い。

税務署は税金を取り損ねないよう、登記にも目を光らせている。贈与税も相続税も自己申告で行うものであり、期限を逃したり、不正確な申告をすれば余計な税金まで取られる。

だが、法務局での登記手続きは義務でもなく、期限もないため放置してしまいがちだ。

相続法改正の最大の目玉にして4月1日から始まる「配偶者居住権」制度こそ、税申告と登記の二つの手続きで失敗すると、大変な目に遭う。税務署に「脱税」扱いされて膨大な追徴課税をされるうえに、最悪、夫の死後に妻が住む家すら失ってしまう危険もあるからだ。

正しい「配偶者居住権」の設定の仕方、使い方をいまから知っておいたほうがいい。

まずは居住権を設定する

そもそも配偶者居住権とはどんなものなのか。その基本からおさえたい。

 

「自宅を持つ権利(所有権)に加えて、住む権利(居住権)が新たに作られたのです。夫の死後に遺される妻が、子どもと不仲な場合に、妻が家に住み続けられるように、この制度が作られました」(円満相続税理士法人の税理士・桑田悠子氏)

例えば、夫の財産が自宅2000万円分と現金400万円の場合で考える。